中日新聞 平成18年5月27日(土)掲載


-----------------------------------------------

おいしく食べて健康になろう

●予防歯科

「予防歯科」という言葉をご存知でしょうか?

 「年をとれば歯を失っても仕方ない」と考える人がいま

だに多い日本。果たして本当にそうでしょうか?歯科先進

国として世界をリードするスウェーデンでは、今から30

年前まで同じ考えでした。現在80歳で残っている自分の

歯は、日本では平均約7本、スウェ―デンでは約18本。

 この違いはどこにあるのでしょうか?

 さぞ一日の歯磨きにかける時間・回数が多いのでは?と

思われがちですが、一日の歯磨きの時間は日本の方が多い

くらいなのです。と言うことは、一生懸命歯を磨いている

だけでは、歯は失われていくという事になります。長年日

本では早期発見・早期治療という考えの下、歯科医療は進

められてまいりました。しかし、これでは既に悪くなって

いるのです。

 治療が終了した患者さんに対して歯科医いわく「何か問

題があったらまた来て下さい」しかし、問題があってから

では患者さんを再び危険に、そして治療の恐怖にさらして

しまいます。

●8020達成(80歳で20本歯を残そう)を目指して

 「歯が痛くなってから歯科医院に行く」、「悪くなった

ら治療する」という考え方が、結局自分の歯を失う事にな

ってしまいます。残念ながら治療したとしても、いったん

悪くしてしまった歯は、寿命が短くなるのが現実です。

 それも小さな詰め物をした歯より、大きなむし歯や神経

を取る位の治療をした歯の方がより短くなります。

 そして数年後に歯を失う事になります。むし歯を削って

詰め物をした、歯石をとった、というのはすでに起こって

しまった結果に対する単なる「あとしまつ」であって、治

ったのではないのです。一生涯、むし歯にも歯周病にもか

からず神様から与えられた自分の歯で過ごすことは努力す

れば必ず出来ます。

 8020を達成するためには、「幼少からの永続的な予

防」の他は有り得ません。

 スウェーデンとの明らかな違いは、歯科医院は決して「

痛くなってから行くところ」ではなく「健康な歯を維持す

るために定期的に行くところ」であること。

 「治療が終われば通院は終わり」から「治療が終わった

時から、歯科医院とのお付き合いが始まる」、「治療」か

ら「予防」という意識に変えることが、一生自分の歯で食

べる第一歩といえるでしょう。

 我々歯科医師は、出来れば歯を削りたくありません。抜

きたくありません。一人でも多くの人が、いや日本人全員

が、むし歯に、また歯周病にかかることなく、義歯を使用

することもなく、一生涯自分の歯で食事が出来る事を目標

に日々診療しております。

【歯科健康習慣】

・必ず定期健診を受ける

・歯や歯肉を鏡で点検する

・時間をかけて歯を磨く

・甘いものを控える

・喫煙、肥満は要注意

・気になったら早めに受診する









最後まで読んでいただきありがとうございました。
グリーンヒルズ歯科クリニック

院長 蛭川 登夫