徳を尚ぶこと、学・知・金権より大なり

ここにいう「徳」とは、道徳的な行いと心づかいを累積することによって形成される道徳的能力、つまり品性のことです。品性は、人間の他の緒力、すなわち学力、知力、金力、権力などの中心にあって、それらを生かす根源的な力です。そこで最高道徳では、人間の品性にもっとも高い価値を置くのです。

 

私たちはややもすると品性の大切さを忘れ、学力、知力、金力、権力などを獲得しさえすれば、幸福になれるものと誤解しています。確かに学力、知力、金力、権力などは人間生活のうえで必要な要素です。

しかし、それらの緒力を正しく生かす品性が伴わなければ、一時的な成功は得られても、永続的な幸福を生み出すことはできません。

私たちの人生を実り豊かなものにするためには、日常生活の中でさまざまな力を蓄えるとともに、根本である品性をたえず向上させることが肝要です。

*参考:モラロジー研究所/広池千九郎格言より